大学受験の勉強スケジュールを具体的に考えるこの企画、今回は国公立理系編です。
志望校を決めて目標点を設定し、そこから逆算しながらスケジュールを立てています。このスケジュールは実際に国公立理系の受験をした私の知り合いにアドバイスをもらいながら作成しました。
まだ高校2年生の方はもちろん、既にこのスケジュールの真っ只中にいるであろう受験生の皆さんにも、勉強する皆さんにとって役立つ内容となっています。ぜひ参考にしてみてください。
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国公立理系の受験勉強スケジュール|ゴールの設定
ここでは北海道大学の「理系学部,総合入試,数学重点選抜」で合計490点/750満点(約65%)得点することをゴールに設定します。共通テストと二次試験の特典配分は以下を想定します。
- 共通テスト:240点/300満点(80%)
- 二次試験:250点/450満点(約55%)
- 総合 :490点/750満点(約65%)
北海道大学(理系学部,総合入試,数学重点選抜)の基本情報は以下のとおりです。
-入試科目-
共通テスト | 5教科7科目(300点満点) 【国語】国語(80) 【数学】数IA必須,数IIB・簿記*・情報*から1,計2科目(60) 【理科】物・化・生・地学から2(60) ※理科は、基礎科目の選択不可 【外国語】英・独・仏・中・韓から1[リスニングを課す](60[30]) 《地歴》世B・日B・地理Bから選択(40) 《公民》「倫理・政経」(40) ●選択→地歴・公民から1科目 |
---|---|
個別学力試験 | 3教科(450点満点) 【数学】数I・数A(場合の数と確率・図形の性質・整数の性質)・数II・数B(数列・ベクトル)・数III(200) 【理科】「物基・物」・「化基・化」・「生基・生」・「地学基・地学」から2(100) 【外国語】コミュ英語I・コミュ英語II・コミュ英語III・英語表現I・英語表現II(独・仏・中の選択可)(150) |
個別(2次) 配点比率 | 60% |
-合格最低点-
総合入試|理系:数学重点 | 前期 | 総:467.71/750 | 2020年 |
総合入試|理系:数学重点 | 前期 | 総:480.78/750 | 2019年 |
総合入試|理系:数学重点 | 前期 | 総:482.80/750 | 2018年 |
国公立理系のゴール設定|目標得点の内訳
目標点の内訳は以下のようになります。
-共通テストの目標点-
国語 | 58/80満点 | 72.50% |
数学(1A・2B) | 50/60満点 | 83% |
理科二科目 | 50/60満点 | 83% |
外国語 | 50/60満点 | 83% |
地歴/公民 | 32/40満点 | 80% |
総合 | 240/300満点 | 80% |
-二次試験の目標点-
数学 | 105/200満点 | 52.50% |
理科 | 55/100満点 | 55% |
外国語 | 90/150満点 | 60% |
総合 | 250/450満点 | 55% |
上記の得点配分は理系選択であることも考慮し文系科目、特に国語の配分を抑えめにしました。もちろん、この得点配分は絶対的なものではなく、あくまで一例として紹介するものです。皆さんの得意教科に応じて目標得点の内訳は変動させてみてください。
国公立理系の勉強スケジュール|1〜2月の理想

1〜2月の理想:①共通テスト・センター過去問で総合 8割 安定 ②二次試験の過去問で55%を超えている
1〜2月時点での理想はやはり、共通テスト・センター過去問で総合8割安定、そして志望する大学・学部の二次試験の過去問で55%を超えていることです。
国公立理系:1〜2月の勉強内容
1〜2月の主な勉強内容をリストに挙げてみました。
- 週1〜2回の共通テスト・センター過去問演習(全教科)
- 週1回以上の二次試験過去問演習
- 共通テスト・センター・二次試験の過去問を大問に分けて演習
- 社会科目の共通テスト・センター過去問
受験本番目前となる1〜2月は過去問演習が主な勉強内容となるでしょう。時間を測って本番に近い形で過去問を解くことはもちろん、それ以外にも過去問を大問ごとに分けて演習を行う方法も効果的です。
また多くの人が共通テストでのみ受験する社会科目に関しては、共通テスト直前にたくさんの過去問を解くことをお勧めします。「一夜漬け」ならぬ「一時漬け」の形で知識量を増やし、最後の追い込みをかけると良いでしょう。
国公立理系の勉強スケジュール|11〜12月の理想

11〜12月の理想:①共通テスト・センター過去問で総合 8割 安定 ②二次試験の過去問で 5割 を超えたりする
受験勉強もラストスパートとなる11〜12月、この時期にはあらゆる過去問で合格最低点の周辺を得点できている状態が理想です。
国公立理系:11〜12月の勉強内容
11〜12月の主な勉強内容をリストに挙げてみました。
- 週1回の共通テスト・センター過去問演習(全教科)
- 2週に1回ほどの二次試験過去問演習
- レベルの高い問題集を利用した勉強
この時期にはやはり共通テストを意識した勉強に重きを置くと良いでしょう。共通テストの過去問演習はもちろん、二次試験を意識した過去問演習やハイレベルな問題集を利用した勉強も効果的でしょう。
11月〜12月は「諦め」のラインを把握すべき時期
この時期になってくると、志望校と自分の実力の間にある壁の高さを、
日々の勉強や演習・過去問対策などで段々と実感してくるようになります。
そんな時期には、必ず「諦め」のラインを把握するようにしましょう。
国公立理系の勉強スケジュール|9〜10月の理想

9〜10月の理想:①共通テスト・センター過去問で英・数・理・(国)で8割安定 ②数Ⅲの基礎固めが終わっている ③二次試験の過去問を解いて手応えを感じられる
共通テストの過去問で社会科目を除いて8割安定していることがこの時期の理想です。国語にカッコがついているのは、やはりどうしても国語ができない場合があるからです。国語ができないという方は、その他の教科で確固たる得点源を持てるように調整すると良いでしょう。またこの時期には数Ⅲの基礎固めを終え、少し二次試験の問題に触れてみると良いかもしれません。
国公立理系:9〜10月の勉強内容
9〜10月の主な勉強内容をリストに挙げてみました。
- 週1回の共通テスト・センター過去問演習(英・数・理・国)
- (英)・数・理はハイレベルな問題集を利用した勉強
- 社会科目のスタート
週に1回は共通テスト・センター過去問演習を行います。数学と理科ではハイレベルな問題演習を利用して問題対応力を養いましょう。英語に不安が残る方は英語の演習も行うべきでしょう。
またこの時期から社会科目をスタートさせられると国公立受験では有利に戦えるはずです。国公立志望でも、3教科で受けられる私立受験が頭にチラつくことで社会科目を後回しにしてしまうことがよくあります。社会科目で得点し、有利な状態で二次試験にコマを進められるように早めから取り掛かりましょう。
国公立理系の勉強スケジュール|7〜8月の想定

7〜8月の想定:①共通テスト・センター過去問で英・数8割安定 ②共通テスト・センター過去問で理科7〜8割を得点 ③数Ⅲの範囲を一通り終える
夏休み中の目標はやはり、共通テスト・センター過去問で主要科目である英・数・理の得点率を安定させることです。また夏休み中に数Ⅲに一通り触れておきましょう。夏休みが明けると少しずつ心に余裕がなくなっていくので、早めに数Ⅲの全体像を知っておくと多少気が楽になります。
国公立理系:7〜8月の勉強内容
7〜8月の主な勉強内容をリストに挙げてみました。
- 数学1A・2Bを固めるための問題演習
- 理科の知識固めと問題演習
- 英語は定期的な長文・文法問題演習で実力をキープ
夏休みに多くのことをやろうとして失敗してしまうのはあまり好ましくありません。この時期には数1A・2Bの実力を固めること、そして理科の知識を固めることに専念しましょう。英語に関しては、実力をキープするために定期的に実践問題を解くと良いでしょう。
国公立理系の勉強スケジュール|5〜6月の想定

5〜6月の想定:共通テスト・センター過去問で英・数8割超えたりする
夏休み前に、英語と数学(少なくとも数1A)で共通テスト・センター過去問8割越えることを目指すと良いでしょう。
国公立理系:5〜6月の勉強内容
5〜6月の主な勉強内容をリストに挙げてみました。
- 英語の実力を固めるための共通テスト・センター過去問演習
- 数1A・2Bの範囲を一通り終える
- 理科の勉強をスタート
この時期には英語の共通テスト・センター過去問演習を行い実力を固めましょう。また数1A・2Bの範囲を一通り終えた状態で夏休みを迎えられるように勉強し、理科についてもこの時期から始められると良いでしょう。
国公立理系の勉強スケジュール|3〜4月の予定

3〜4月の予定:共通テスト・センター過去問で英・数(1A)7割安定
本格的に受験勉強がスタートするこの時期、目標は共通テスト・センター過去問で英語と数1Aの得点が7割安定することです。
国公立理系:3〜4月の勉強内容
3〜4月の主な勉強内容をリストに挙げてみました。
- 英語長文・文法の問題演習
- 数1A・2Bの問題演習と知識入れ
- 共通テスト・センター過去問で国語の実力を知る
英語に関しては長文・文法の問題演習を行い、得点力をつけましょう。数1Aは問題演習、数2Bは知識入れと問題演習が主な勉強です。またこの時期に1度でも国語の共通テスト・センター過去問を解いてみることをおすすめします。勉強しない状態での国語の実力を知っておくと、これからの心持ちが変わります。
以上が高3以降のスケジュールです。
国公立理系の勉強スケジュール|3月以前の勉強内容
ここからは3月以前、すなわち高2までの間にやっておくべき勉強についてです。高3の受験勉強スケジュールを立てると見えてくる、高2までにやっておくべき勉強は以下のとおりです。
- 英単語・文法・長文の勉強
- 数1A・2Bの授業・テストくらいは真面目に受ける
- 理科と社会の授業も耳には入れておく
高2年生までの間に、最低限の勉強として上記リストのことをやっておきましょう。
すると、受験生になってからの勉強に多少の余裕ができるはずです。
これくらいは勉強しておいても、損はないのではないでしょうか。
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