もう秋なのに、過去問が全然できない。
もう冬なのに、偏差値が全然上がらない。
もう本番も近いのに、そもそも勉強のやる気が起きない。
そんな「本番直前期ブルー」に陥ってしまい、
志望校の受験は諦めようかな…、と思い始めている生徒さんに、
11月以降限定の直前期に特化した塾「from November」を運営する筆者から伝えたいことがあります。
こちらではあなたが本当に志望校を諦めるべきかどうか、具体的な得点率を用いた説明を通してイメージしてもらいます。
まだ諦めるには早いかもしれませんよ。
受験の現役合格を諦める判断基準は偏差値ではない

今年は、もう現役合格を諦めるべきか。
それを判断する場合に、多くの方はある時点で受験した模試の偏差値を気にしてしまいがちです。
しかし、偏差値はあなたの現状に対する暫定的かつ相対的な評価にすぎません。
つまりどういうことかというと、自分の偏差値の推移を分析したとしても、
偏差値の推移は、学力の伸びの速度が周囲に比べてどれだけ速いか、遅いかということしか教えてくれないのです。
言ってしまえば、偏差値は自分と他人を比べて慢心するための一尺度に過ぎません。
偏差値で他人と自分を比べて、暫定的な自分の位置に一喜一憂するのは今日でもう終わりにしましょう。
受験の現役合格を諦める判断基準は過去問の得点率

では、受験の現役合格を諦める判断基準は何なのでしょうか。
それは過去問の得点です。
特に「志望する大学の」「12月時点での」過去問の得点率です。
なぜ過去問の得点率に諦めの判断基準をおくべきなのか
なぜ過去問の得点に判断基準をおくべきなのか。
それは、現時点で「合格か」「不合格か」という明確な判定を下すことができるからです。
今はインターネットで多くの大学が各年度の合格最低点を公開しています。
つまり、自分の12月時点での過去問点数とその大学の合格最低点を比較することで自分の目標到達度を把握することができるのです。
なぜ12月時点での過去問得点に諦めの判断基準をおくべきなのか
なぜ「12月」時点での過去問の得点に判断基準をおくべきなのか。
それは、合格するべくして合格するような人が残り3ヶ月で身につける学力の種類が「問題解答スピードの向上」という解答力だからです。
もう少し詳しく説明しましょう。
一般的に、受験において残り3ヶ月の期間は問題演習に時間を割くべきであると言われています。
きっと、多くの方が11〜12月ごろから志望校の過去問演習を開始するでしょう。
この「演習」という言葉は「本番を想定した訓練」と言い換えることができます。
つまり演習を通して身につけるべきことは、
「大問1は後回しだな…」
「時間が結構足りないから直ぐにパスした方がいいな…」
「この問題は他の大学であまり見ないから練習しとかなきゃな…」
というような、まさに解答力と呼ぶべき力です。
このような応用的な対応力を身につけるべき時期である12月の時点で過去問の点数が絶望的であれば、その志望大学は諦めて当然だということになります。
12月の時点で志望校を諦めるべき現実的な得点率の求め方
12月の時点で絶望的な点数であれば諦めて当然。とは言うものの、
その絶望的な点数というのは、決して、満点に対するあなたの得点率ではありません。
「満点に対する得点率ではない」とはどういうことでしょうか。
具体的な数字で考えてみましょう。
例えば満点100点の試験問題で5割しか得点できなかった、というとき、純粋な点数はそのまま、50点です。
しかし「諦めるべき現実的な基準得点率」の求め方には別の方法があります。それがこちらです。

言葉で説明するのであれば「解いた問題を分母としたときの得点率」です。
次に、この式で求めた得点率を、その大学・年度の合格最低得点率と比べます。
そして両者の間に、得点率にして2割近くの乖離があれば、
その志望校は、12月のあなたにとってかなり合格は難しい大学であると考えられます。
しかし反対に、両者の乖離が得点率2割よりも小さければ、今からでも合格の可能性は十分あります。
なぜこの式で求めた得点率で考えると合格の可能性があると考えられるのか。
それは先に述べた通り、残り3ヶ月で「演習」を積めば必ず解答スピードが向上し、取り組める問題数が増えてゆくからです。
だから「解いた問題を分母としたときの得点率」が基準とするべき点数であると言えるのです。
受験で現役合格を諦めるべき12月時点の過去問点数を大学別にみてみよう

ここからは、早慶上やgmarchといった様々な大学の諦めるべき点数を、具体的な数字を用いてイメージしてみましょう。
今回は、制限時間内に配点全体の7割、8割、の問題に取り組めたという2パターンを想定します。
それぞれのパターンで提示する得点率は、満点に対する得点率であることに注意してください。
各大学1つの学部学科・入試方式で具体的に確認していきます。参考にしたデータは2021年度入試のものです。
受験を諦めるべき得点率〜早慶上編〜
まずは、早慶上の諦めるべき得点率を見ていきましょう。
早稲田大学(法学部)の諦めるべき得点率
早稲田大学法学部の合格最低得点率は約 60% でした。したがって、12月時点での過去問演習で諦めるべき得点率は下記のようになります。
7割の場合:28点
8割の場合:32点
慶應大学(法学部・法律学科)の諦めるべき得点率
慶應大学法学部・法律学科の合格最低得点率は 58.5% でした。したがって、12月時点での過去問演習で諦めるべき得点率は下記のようになります。
7割の場合:26点
8割の場合:30点
上智大学(法学部|法律学科・一般入試)の諦めるべき得点率
上智大学法学部・法律学科一般入試の合格最低得点率は 64% でした。したがって、12月時点での過去問演習で諦めるべき得点率は下記のようになります。
7割の場合:30点
8割の場合:35点
受験を諦めるべき得点率〜gmarch編〜
次に、gmarchの諦めるべき得点率を見ていきましょう。
ただしgmarchの中でも合格最低点を公開していない大学は省いています。
明治大学(政治経済学部・政治学科)の諦めるべき得点率
明治大学政治経済学部・政治学科の合格最低得点率は 64.3% でした。したがって、12月時点での過去問演習で諦めるべき得点率は下記のようになります。
7割の場合:33点
8割の場合:35点
青山学院大学(経営学部・全学部日程)の諦めるべき得点率
青山学院大学経営学部・全学部日程の合格最低得点率は 79.7% でした。したがって、12月時点での過去問演習で諦めるべき得点率は下記のようになります。
7割の場合:41点
8割の場合:47点
中央大学(法学部・法律学科・3教科型)の諦めるべき得点率
中央大学法学部・法律学科・3教科型の合格最低得点率は 57.7% でした。したがって、12月時点での過去問演習で諦めるべき得点率は下記のようになります。
7割の場合:25点
8割の場合:29点
法政大学(社会学部・社会政策学科・T日程)の諦めるべき得点率
法政大学社会学部・社会政策学科・T日程の合格最低得点率は 64.0% でした。したがって、12月時点での過去問演習で諦めるべき得点率は下記のようになります。
7割の場合:30点
8割の場合:35点
伝えたいのは「みんな可能性は十分」ということ
ここまで様々な大学を例にとって、諦めるべき具体的な点数を示してきました。
多くの大学において、30点台の数字が示されてきました。
11月以降限定の直前期に特化した塾の運営者である筆者が、諦めるべき基準を示すことで伝えたいのは、
「今からでも遅くはない」ということです。
現時点で「50点、いや40点しか取れない…」と嘆いている方がいるとしたら、
みなさん、直ちに嘆くのをやめましょう。今からでも間に合います。
受験を諦めないと決めた人がやるべき2つの作業

自分の過去問の点数と該当年度の合格最低得点率を比較し、もう諦めないと決めたら、まずは何をするべきでしょうか。
合格へと着実に向かうために、諦めないと決めたあなたがこれからするべき2つの作業を、
英語と国語、2つの教科に分けて見ていきましょう。
諦めないと決めたあなたが英語の勉強でするべきこと

- 志望校の過去問が3つのタイプのどれに当てはまるか見分ける
- そのタイプにおける自分の弱点に特化した勉強をする
大学の過去問の形式は様々ですが、それらは3つのタイプに大別することが可能です。
その3つのタイプとは下記のようなものです。
- (タイプA) 長文読解・文法/語法の複合タイプ
- (タイプB) 長文読解と文法/語法が区別されているタイプ
- (タイプC) 長文読解のみのタイプ
これら3つのタイプについての詳しい解説は、
11月以降限定の塾 from November の公式ページでなされています。
タイプを見極めたら、そのタイプにおける自分の弱点を克服するための勉強を種類分けして行います。
from November の、
無料でもらえる入塾テストを使って、
現時点の志望校到達度を自分で判定しよう

診断を行うときは、
必ず記載の制限時間を設けてください。
*入塾テストは入試結果を保証するものではありません。
諦めないと決めたあなたが国語の勉強でするべきこと
- 原因が現代文かそれ以外か見極める
- 原因が現代文であれば過去問を週に2回
原因が古典であれば語彙の強化と過去問を週に2回
国語では、まず第一に、できない原因が現代文なのかそれ以外なのかを見極める必要があります。
「国語」と一口に言っても、現代文と古典は全く別物です。一緒くたにして「国語」と認識している時点で合格は危ういでしょう。
原因となっている科目が判明したら、その科目の演習を重点的に行いましょう。
ただし現代文は、いたずらに演習を重ねても得点率が上がらない場合があります。
現代文の演習には「問題がどのように作られるのか」という視点を取り入れる必要があります。
現代文は自力で伸ばすのが大変困難な科目です。現代文を誰かに質問しようにも、
親身になって、それも長い時間をかけて1問を解説してくれる人は周りに滅多にいません。
from November では現代文の問題制作者自らが授業を行います。
受験を諦めるのはまだ早い。必ず志望校の合格最低点と比較して判断しよう。
現役での合格を諦めかけているみなさん、まだ諦めるのには早いでしょう。
秋から、いや11月、12月からでも間に合う可能性は十分にあります。
そのために必要なのは、志望校の入試問題に特化した演習・対策です。
単語をもっと覚える?
とりあえず長文読解の参考書をたくさんやる?
上記のような勉強は「志望校の対策」とは到底言えません。
あくまで、志望校の入試問題に特化した演習・対策が必要になるのです。
from November はそのような直前期からの追い上げに特化しています。
間に合わないと諦めかけていた、そのような方はぜひ、
from November で最後の追い上げをしてみませんか?
